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FM802「ビンタンガーデン」

DJ=エレファントカシマシ 宮本浩次
(2000年6月4日放送)


 宮本浩次 ひとりDJ(後半)


エレファントカシマシ、エレカシの宮本がお送りしております今夜のビンタンガーデンでございますけども、聞いてもらった曲はエレカシ最新アルバム「good morning」からタイトルチューン「good morning」、「精神暗黒街」、そして「ゴッドファーザー」の3曲でございました。


えーほんとにさっきまでニューアルバム「good morning」ができるまでのね、その情熱的な話をちょっとしましたけれどもね。このアルバムん中で結果としてね、僕は非常に何かつかんだものがあるっていう風に思ってる訳でございますけどもそんな話をちょっとしてみたいなあという風に思っております。これはね、僕ら音楽をコミュニケーションの手段として僕は生きてる訳でございますよ。で、ほら自分の作品をさ、みんなに聞いてもらってね、ライブに関してもそうです。要するにそのコールアンドレスポンスって部分で、自分がまず発信したものに――発信っつったってこれはリアルに生きてる部分での発信ですからね――それからまた返ってくるもので僕らさあ、いろいろ勇気をもらったり、またがっかりしたりとかしながらね、自分の音楽っていうスタイルを突き詰めていくってことで、生命を存続さしてる(笑)って、これあるわけでございますよ。ね?まあ極端に言っちゃうとね。


でまあ非常に音楽って部分でさ、やっぱ人とコミュニケーションとるのは、正直に素直にとってくのが一番こう、わかり合えるって部分があってさ。何しろ音楽って中で自由であるっていう部分があってね。これはしかしね、ロックミュージックっつーのは武器ですよ、これ皆さん。ロックミュージックに限らずね、日本にしろ世界どこにしろ、その生きてくって部分で・・・非常に高度な社会ですからねえ。例えば僕なんかがね、ライブでフリーコンサート、要するにタダでさ、広場でぼーってコンサートやりたいなって思ったってね、これは騒音の問題、またその近隣の迷惑の問題、車の問題ね、いろいろあってそら簡単に広場でさ、東京やら大阪やら大都市で簡単にいきなりやるわけにはいかないんですよ。わかりますか?そんなやりたいっつってほら例えば、縄文時代だったら別に、鎌倉時代だって辻説法だっつってさ、だれかやってた人もいたぐらい、これ自由度が高かったと思うのね。ところがやっぱり非常に高度な社会ってなってくればさ、政治家だって学校の先生だって、どんなアレだって、やっぱり幅広く公共の電波って事になってくるとね、いろんな人が聞くっていうか、いろんな人の立場でね、平均的言葉を言わなきゃいけないって部分があるでしょ?


ところが僕ら表現者ってのはさ、そんな「もやもやもやっ」てした「もうちょっとはっきり言って欲しいよな」ってところをさ、僕らロックミュージシャンってのはある種自由にね、ロックん中では表現できるっていう非常にハッピーで。わかりますか?例えば僕は「ガストロンジャー」っていう歌ん中でさ、「お前正直な話率直に言って日本の現状をどう思う?」から始まって「あげくが人の良さそうな変な奴がのせられて偉くなっちゃって、それでもそこそこ俺達は生活してんだから訳わかんねえよなあ」なんて言ってますよ。ね。これだけどさ、ホントにリアルな――僕ら33歳の男ですけども――感想な訳であってさ。音楽の中で僕らが思ってる事を率直に、ロックってスタイルを借りてね、サウンドってものをバランスされたときにね、わかりますか皆さん。非常に高度な話してますよ今ね。なにしろロックミュージックってのは力であり、勇気であり、そんなものだっていうね。僕らが生きてるってことを、人生を改めて肯定してくれるっていうような、そんなスタイルを持ってる非常なる武器であるってことをね、レコーディング、「ガストロンジャー」以降のレコーディングでほんとに感じましたよ。


で僕はね、自分の広告文で「孤高にして普遍的、過激にして包容力あり、そして最新にして懐かしい、最強のロックスピリッツ。それがエレファントカシマシ、すなわち俺だ」なんて非常にかっこいいこと言ってますけどねえ。まあだから僕ら音楽の中では自由でなきゃいけないしさ、っていう部分でね、音楽っていうのは、力ですよ皆さん。って事をアルバムのレコーディングを通じて痛感しました。非常にこれは演歌調の語り口になってますが、皆さん大丈夫ですか?言葉にするとアレですけどね(笑)。ま、なにしろ・・・ドーンと生きようぜ!そんなことですよ。少なくとも僕は音楽ですからね。


ということでございまして、最新アルバム「good morning」からさらに3曲続けて聞いていただきましょう。まず1曲目が「生存者は今日も笑う」。えーこの曲はね、非常にコミカルな曲ですよ。で「情熱の揺れるまなざし」。これは非常にロックなね、「男稼業フル稼動」なんていう歌詞も出てきまして、コピーライターとしてのね、僕の言葉のセンスなんかもわかっていただける。そして3曲目がですね、「眠れない夜」。こーらまたいい事言ってますよ。「考えてみりゃあいつらのバックボーンは結構広くてさ」なんてね。「あいつら」って、日本ったってね、2000年以上の歴史持ってますからね。あいつらに勝っていかなきゃいけない、僕らのルールで勝負していかなきゃいけない。そんな曲ですでございます。それではエレファントカシマシ、ニューアルバム「good morning」から「生存者は今日も笑う」、「情熱の揺れるまなざし」、そして「眠れない夜」。3曲続けてどうぞ。


 「生存者は今日も笑う」 「情熱の揺れるまなざし」 「眠れない夜」


エレファントカシマシ、エレカシ宮本がお届けしております今夜のビンタンガーデンでございますけども、聞いてもらった曲はエレファントカシマシ、ニューアルバム「good morning」から「生存者は今日も笑う」、「情熱の揺れるまなざし」、そして「眠れない夜」の3曲でございました。いやーもうほんとにね、どこまでしゃべっていいんだかわかんないですけど何かこう、わかっていただけますか?ニューアルバムについて僕の思いのたけをね、この深夜って部分で逆にハイテンションでやらせていただいてますよ、これ皆さんね。


というわけでございまして、今エレファントカシマシはこのニューアルバム「good morning」をまあ平ったく言うとひっさげてね、日本全国を津々浦々廻っていこうって、草の根的にね、廻っていこうっていうライブハウスツアー、これやってるわけでございますよ。まあ「草の根」なんて言葉、変な言葉だよなあ。まあ「草莽(そうもう)の人」なんて言葉もあったりとかね、まあいいんですけども。何しろ僕らほんっとにね、さっき僕「辻説法」なんて言葉もあった、まあ僕は要するにそんなね、僕ら自分の音楽っていうものを伝えてくっていう手段において、やっぱり最大の、アルバムと共に武器はさ、自分たちの姿をライブん中でみんなに見てもらうって部分でさ。ライブハウスっていう会場選んだのはやっぱり非常にその濃い空間なんだよ、ライブハウスってさ。良くも悪くもね。で、やっぱライブってのは、温かさ、ロックの強さとさ、またその情熱的な部分と、何か汗と涙。まこれ言っちゃうとそれこそね、そういう言い方になっちゃうけどさ。何か人間のつながりって部分でね。


まあ日本なんてさ、ほんとにね、歴史と伝統。またこのなんて言うのか非常に高度に発達してるって部分でね、精神的な部分でも非常に緊張の高い、また非常にレベルのね、レベルって言っちゃあ変だな、非常に高度に精神的な国家ですからね、日本。でそんな中でやっぱ島国って部分もこれあってさ、自由なコミュニケーションって部分ではね、公(おおやけ)になればなるほどね、やっていきにくいって部分これあるじゃないですか。わかりますか?


そうすっと僕らロックミュージック、コンサートって素晴らしいのってさ、何か僕らが発信し、またそこでみんなからのこう、レスポンスね、“コール アンド レスポンス”がそこで生まれた時にさ、何かそういった温かさ、また強さ、勇気――まあだけどね、結局コンサート見たってさ、翌日からまた普通の生活にもどるわけですよ。ね。学校いったりね。ただ僕それはマイナスで言ってんじゃないよ。ちょっと元気になって日常の生活に戻るだけなんだけどさ。ただライブでドーンと盛り上がってね、最終的に日本を盛り上げていくことは可能ですよ皆さん、ほんとにロックミュージックって部分でね。僕は自分で、ロック草の根・・・まあ「草の根」って言うとまた何か変な、まあだけどそんなことじゃなくてね、非常になんか普通にね、ロックミュージック、コンサートって部分でさ。そうそう、僕らライブハウスで、コンサートって部分で非常に濃い、熱い空間をね、出したかった。僕らのそんな非常に直な思いをみんなに直接的に見てもらいたかったって部分でね、ライブハウスでやりました。


そんでライブにおいてはびっくりするぐらいのさ、今回京都、神戸あたりからね、関西スタートだったわけですよね。で非常にお客さんみんな盛り上がってくれてさ、そういうなんかこう、「何か宮本が新しい事やろうとしてるぞ」みたいなね、そんな精神的な部分で期待感を僕は強く感じているし、毎回パワーアップしてね、今ライブやっております。で6月9日、10日はこれ梅田のヒートビート。これ大阪でね、やりますよ。んでまあ6月9日っつったらあのー「ロックの日」で、またあの渋谷陽一の誕生日、みたいなね、そんな部分もありますしね。僕も6月12日誕生日ですからこれ。34歳になりますよ?っていうことで6月9日、10日梅田ヒートビート、これはもう売り切れですけどね、ま、ドーーンとこれいきますんでね、皆さんまたライブ、まあなにしろ僕はね、フリーコンサートにしろ何にしろ絶対やるからね。タダでみんなに見てほしいんだよ。僕らもうライブ調子いいですからね。どんどんライブやっていきますんで。コンサートね。またどんどんどんどんやっていきますんでね。もう勝ち負け関係ない。勝負ですからこれね、人間って部分で。


で、ライブにちなんで、僕はライブ版っつったらこれね、自分で聞く分においては実はあんまり好きじゃないんですけども、「ガストロンジャー」、「Soul rescue」。この2曲、今年の頭にやった武道館のライブから2曲、「ガストロンジャー」、「Soul rescue」。この2曲聞いてください。


 「ガストロンジャー」 「Soul rescue」 (2000年1月4日 日本武道館LIVE)


エレファントカシマシの宮本がお送りしてまいりました今夜のビンタンガーデン、いかがだったでしょうか。ねえ、これは僕は深夜って部分でね、逆に盛り上がってますよ(笑)。まあだけどいいやね。あのー眠い耳をね、あ目をこすりながらみんな聞いてくれたと思いますけれども。いやーほんとにね、これはみんな伝わったと思いますよ。僕のある種の断片がね、エレファントカシマシの宮本ってこういう奴だっていう断片が伝わったと思います。


じゃあお別れにですね、エレファントカシマシの最新アルバム「good morning」から1曲聞いていただきたい。この曲はね、「武蔵野」。これは「武蔵野」って曲なんですよ。まあ東京のほうで僕は生まれましたからね。武蔵野ってのは、ほら大阪だってとっても、またこの近辺だって非常に古い歴史を持ってる。ま郷土。日本ね。僕これ非常に好きです。でまた、ふるさとって部分でも僕は自分で東京を意識してますからね。そんな思いのこもった、まあどうですか皆さんね、ふるさとってのは何か苦くてね。だけど日本って本当に・・・よいくに。ね。まあよくわからないですけど(笑)。最後でこの結論ってのはね。


僕らのひとつの権力闘争って部分でね、また人々の勝負って部分もこれはあるし、また一歩でもなんか楽しくね、楽にさ、楽しく生きていきたいって部分もあるでしょ?僕だってこれ33歳ですからね、まだね。またどんどんどんどん40歳、50歳、60歳、70歳、80歳ね、生きていかなきゃいけないって部分で、やっぱ一歩でもね。まああんまりね。楽に生きましょうよ。僕なんかこうやって、しゃべり方だけからするとアレですけどね、実は本当は非常に楽してますから、ほんと極端な話ね。ひとりでアルバム作っちゃったなんて、やっぱ楽したかったからだしさ。まあおもしろおかしくですね、送っていきましょうという、まあよくわかりません結論でございますけれども。


それでは聞いてください「武蔵野」。ビンタンガーデン今夜のお相手はでございます、エレファントカシマシのエレカシ宮本でございました。皆さん、ライブでまた会いましょう。どっかで会いましょう。失礼しました。さようなら。


 「武蔵野」


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エレファントカシマシ入門サイト good morning (http://elebox.moo21.com)