DJ=中村貴子/ゲスト=エレファントカシマシ 宮本浩次
(1998年5月20日放送)
――『4月発売されると思っていたシングルが、5月に延期になったというので、どんなに待ち焦がれたことでしょう』
「ああー」
――うーんうんうん。『インターネットでは、3月にどっかのレコード店が“エレカシの新曲タイトル「むすめ」”と張り出されていたとかで、“エレカシが「むすめ」?”と話題騒然でした』と書いてあるんですけど・・・
「ぶぶう(吹き出している)」
――何か「むすめ」って出そうと思ってたの?
「いやいやそんなこと1回もない、思ったことないですけど、まあだからそれレコード屋さんが非常にユニークなね、ある種まあ演出だったんでしょうな、これは」
――(笑)勝手に?仮タイトルでも何でもないのね?
「まあもともと4月には出そうと思ってたわけなんですよ」
――うん
「それでまあ僕が冬なんかにですね、レコーディングやってたわけなんです」
――うんうん
「でその、武道館の後だったもんですから、どうしてもその何か、要するにその印象が強くて。自分の中で。だからその年頭にコンサートやりましたんで、年頭の3日4日にコンサートやりまして。あの、お正月のね」
――うん
「その後のレコーディングだったもんですから、どうしてもその冬の感じって・・・あれ不思議なもんでね、人間って四季に影響されますな、これ」
――はははは
「皆さんどうですか、リスナーの皆さん」
――そうかなあ(笑)
「あーの要するにね、夏だと夏っぽくなるしね、冬だと・・・それみんな合わせてねえ、『夏は何々』みたいなものありますけども。まあそういったことでこれ4月頃にレコーディングして、できたのはもう本当に先月ぐらいの曲なんですけれども。そういった意味で4月にできた曲で、まあ春っぽいんですよね。これまあ非常に、まある種単純ですなこれ。まあ俺だけかもしんないですけども」
――(笑)ねえ、延びた理由は何でだったの?
「そう、だからその要するにそのー、まあ冬っぽい、冬に作っちゃうと冬っぽかったもんですから、曲が」
――あ、そうかそうか。作り直したのね
「そう。作り直した。だから春に向けて」
――はあー、そっか
「そしたらね、3月になると不思議じゃないですか、これ」
――春の歌できたんだ!
「春の歌になるんですよ、これ」
――(笑)わかりやすいなあ
「やっぱほら家にこう・・・どうでしょう、まあ僕も冬好きだけども、まあ外出るにはこうまだ寒いかじかんだ感じもいいけども、どうしても春になってくるともう、非常に浮き立ってきますね、あれ」
――うん、うん
「で、その感じがこう多分曲に出たんですよ。まあそれを出そうっていう風に思ってたんだけども、本当3月になったらそうなったからねえ、これは本当に。まああれですね、まあきっとその思い込むんでしょうね、そうやって一生懸命自分で。わかんないけど。うん」
――それで「はじまりは今」か。もうまさに春って感じのタイトルよね
「そうなんです。そう」
――でも別に冬の曲「むすめ」じゃないんだよね(笑)
「そう、この『むすめ』というのは謎ですね、これ一種の」
――すごいよ、でもこういうのどっかが張り出しちゃうと今インターネットで全国のみんなが知っちゃうから、嘘の噂もウワーって1日で全国回っちゃうっていう
「ああー、なるほどねえ」
――ねえ。恐いといえば恐いですけどね
――先月になるんですけれども、ビデオが2つ同時にリリースされたということでねえ
「そうなんです」
――えーと、ひとつはライブビデオ
「そう、これ年頭に。僕たちコンサートのビデオってのは、こう今までやったことなかったんですね、これ。それでだからこれ見たらびっくりしましたけどね、これ。あの要するに自分が動いてるところっていうのは・・・」
――はっはっはっはっは
「ちゃんと見たの初めてだったもんですから」
――よくアーティスト言うよね。だってそこの客席にいれないわけじゃない、唯一
「ただそのコンサートの時にやっぱカメラがね、宙にカメラが浮いてたりとか、あと何かこうレールに電車みたいにビャーってこうやってるとこ、右に行ったり左に行ったりとかってのはありました。びっくりしましたけどねえ、ええ」
――感動した?かっこいいなって思った?見て
「あ、自分のですか?」
――うんうん。歌ってるとこ
「やっぱそれはね、あのー惚れ直しました、まあそれは嘘ですけど」
――はっはっはっはっは。「ほ・れ・な・お・し・た」か(笑)
「まあ何かね、まあ何て言うか、それじゃあ何て言うんですか、それじゃあアレですけど」
――そ・う・な・ん・だ(笑)
「まあだから、こう何て言うんでしょうかねえ、やっぱそれ新鮮でしたよ。すごく新鮮でした」
――ねえ。いいねえ。じゃライブビデオってそうか、アーティスト自身にもねえ、楽しいしっていうのも
「そうだと思うなあ」
――ねえ。あともう一個はビデオクリップ集
「まあこれはですねえ、予算かかってませんから基本的にビデオってのは、我々の場合。まあだから、そういう意味も含めまして、まあ非常に簡素な」
――「歌ってる」って感じ(笑)
「まあただ非常にそれもですね、ひとつ年頭にやったコンサートってのは非常にこう、大きい会場でやりましたもんですから、そういったその何かひとつの区切りだったわけですよ」
――うん
「でその今までレコード会社をクビになった後のですね、これはすごくわかりやすいんですけど」
――(笑)
「そういった後のですね、流れが込められてるっていうか。また非常にその・・・わかりますか言ってること、リスナーの皆さん」
――うん、わかるわかる
「要するにその歴史をひとつこう振り返るっていう意味ではね、まあ短い間ですけども、そういう意味で出したんでしょうね、シングル集っていうかね。ビデオっていうのはあまりなかったもんですから。非常に簡素な」
――簡素(笑)
「ある種素朴で。本当にそういうビデオですけども。そっちのほうはね」
――でもリスナーとか聞いてるとねえ、ビデオクリップをフルで見られるのってすごく少ないのよ
「でしょうねえ」
――うん。だからコマーシャルの部分とかしかみんな見てない人って多いから、これすっごい、ファンの人にはうれしい。本当にうれしいと思う
「そう。ファンの人にはそうかも」
――うん。だってライブビデオも、行けない人たくさんいるからねえ
「そう。ライブビデオはこれはいいっすよ、これ。あの、多分どのバンドもいいとは思うんだけども、ライブってやっぱその、バンドってそれで勝負してるとこもあるからね、コンサートっていうのは。まあただクリップ集ってのはまたひとつの・・・あれでしょうなあ。まあそんな事言ってもしょうがないんだ、俺がここで」
――でもライブビデオをすごく押してるのはわかったな(笑)
「そう、押してるっちゃあそれはもう僕はね、あのーやっぱり途中でその、立ち会っちゃったからね、これもう。要するにレコーディングみたいなのも」
――あ、編集も?
「そうそう。そしたら(スタッフの真似で)『あー宮本くんねえ』」
――誰だろ?(笑)
「『矢沢でも長渕でも立ち会うってから、じゃもう最後までどうせならやっちゃってくださいよお』なんて、半分怒ってんだよね、あれ。『俺に任せてんだったら任せろよ』みたいな」
――(笑)
「だけどまあ俺も自分が映ってるからさあ、行ったわけなんですけども、まあいいんですけどね、そんな」
――だってどのカメラでどういう風に使うかとか、いっぱいあるもんねえ。押さえてあるからねえ
「『俺だけ映ってればいい』とか、よくわけのわかんないことも言いましたけどね」
――(笑)あの、ちゃんとね、他のエレカシやメンバーも映ってますから
「そうなんです。全員4人共映ってます。もちろん」
――ライブビデオ。ぜひ見ていただきたいと思います
「冗談ですから、今の。あくまで。はい・・・半分本気ですけど」
――(笑)