DJ=マーキー/ゲスト=エレファントカシマシ 宮本浩次
(2000年9月19日放送)
「あなたのお悩みを音楽で癒します」
<設定>
Dr.マーキー:クリニック院長
宮本先生:Dr.マーキーの友達。医学部学生
土井ちゃん(番組アシスタント):クリニック看護婦
本日の患者(電話):たまちゃん24歳。エレカシのライブにも良く行く
<本日のお悩み>
長く付き合った彼と別れてしまった。新しい恋をしたいけど前の彼が忘れられない。どうしたら彼の思い出を忘れて新しい恋ができるんでしょうか?
――宮本君。これえらい事になっとるで
「これはでも難しいって、苦しいですね、これかなりね。ま好きな人いるにはいらっしゃる?」
――たまちゃん、いてんねやろ?好きな人も何人かは、こう
<はい。こう気になる人、かっこいい人はいるんですけど・・・うん>
――ほー。踏み込めない
<そうなんです>
――ほー。何が邪魔しとんねん。これはやっぱりその、その面影が邪魔しとる・・・宮本君。眉間にしわ寄ってる!そんな険しい顔・・・
<(笑)>
「(笑)いやいや、難しいなと思ってね。これ」
――で、まあ自分としては、どうしたいんや?
<あの、もうきっぱりその前の彼氏の面影を捨てて、できれば次の恋愛にガッと・・・>
――行きたいと。という事は今日はクリニックに来てくれたのは、その前の彼の面影をどうやったら消せるんやろう、消して欲しいっていうような、そこを一番やって欲しい事やねんな?
<そうなんです>
――はっはあー
「なるほど」
――なー。これ・・・宮本君、何かあのー、出たか?
「ええ。あのね。ま非常にその好意的にエレファントカシマシのライブなんかね、たまちゃん、みえてるって部分もあってね、『sweet memory』なんてね、“君もロンリー、俺もロンリー”。でも汗を光らせ新しい恋を目指そうよ、みたいな歌詞も入ってますんでね、これ非常に『sweet memory』っていう曲いいんですけど、これ別に宣伝じゃなくてね。単純にそういう部分でね。宣伝って言わなきゃ誰も気づかないのに言っちゃった。まいいや。そんなこといいんですけどね。そんな部分と別にね・・・」
――宮本君、暴走やな
「ごめんなさい(笑)それひとつあったんですが、まあ、かかったって部分でね(注:この曲は既に別のコーナーでオンエア済み)、マーキーさん、たまちゃん。部分がありますから。非常にね、これまた激シブで、シブすぎたかなーと思いながらも、非常に本質論です。これまあ、あのー愛してる人がいて、次に行きたいって部分がこれ、たまちゃん、あるわけだから」
<はい>
「非常にその激シブだけどもね、1曲今、激シブの部分で浮かびました」
――浮かんだ
――あ。出ましたか!
――じゃあね、ちょっとあのー、たまちゃん。そこベッド寝て
<はい>
――今から1曲出すから。あのー、宮本先生がちょっと特別に出してくれたみたいやから。ちょっとヘッドホンかけてや
<はーい>
――今日はミトンのやつかけてや。あのふさふさっとしたやつな・・・そうそうそう、それかけて
<もう元気になりそうです>
――宮本先生、これボリュームどれぐらいで?
「いやー。激シブなんですよね。なのでね、まあでも本質的な部分で。こういうところ僕もね、これありますよ、はっきり言っちゃえば。ま非常に恋愛の部分じゃいろいろ悩むっていう事は」
――あるわな、これ。誰にでもあるっていう
「てことはありますから。ま、ていう部分でね・・・ええ。普通ぐらいで」
――普通ぐらいで?!
<(笑)>
――普通かい!まままま、こういう先生やからまあ許したってや。ほな、5の目盛りでそこに寝てくれるか
<耳ごこちがいい感じです>
――よっしゃよっしゃよっしゃ、ええ感じやろ。ほな宮本君その曲、早よちょうだいな
「ええ。じゃあこれを」
――それタバコやがな(笑)
「ごめんなさい(笑)もう言えばいいですか?」
――もうあれか?預けてあんのか?土井ちゃんに
「ええ。あのー預けました。ええ」
――土井ちゃん、土井ちゃん。それらしいわ・・・そんなお前、水ようかんの箱に入れといてどうするんや
「(笑)」
――こんなとこに入れてどうする。わからへんやろ?俺、おみやげかな思ったやないか
<(笑)>
「(笑)」
――まあそこに入ってるらしいわ
――いいですか?ちょっと冷やしときましたんで。これ
――いやー。ほんまに入ってるがな、CD(笑)ほなそれいこか
「ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ」
――たまちゃーん
<はい>
――どうや?
<もうなんか・・・>
――ちょっと切ななってきたか?
<ちょっと切ないですけど(笑)>
――切ななってきた?
<でも、愛を求めて頑張って生きていこう、っていう気持ちになりました>
――んー。これはまあ「ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ」というね。うーんこれはまああの、宮本先生が出してくれた曲やけども、ねー。これはやっぱり忘れたいと思ってる人間にはやっぱこの・・・
「ねー。忘れらんない部分ってこれ、どうしても出てきます。長く付き合ってたりするとねー。またねえ、非常にその共有する時間、またそのあらゆる部分でね。共有する部分が多いから。はい。難しい部分もあるとは思いますが」
――宮本君もそういうのは経験してきたんやろ
「これはやっぱあります。やっぱ長い、あのー僕なんか1個やっぱ3年とか4年とか、あのー『1個』ってね、恋愛『1個』ってのも変ですけどもね」
<(笑)>
「そういう部分もありますから。そうすっとやっぱどうしてもね、時間的なもの・・・」
――引きずってるという。たまちゃん、こういうのは引きずるんや。忘れられへんっていうのはもう忘れられへんもんやと思うねんで
<ああー。そうですかねえ>
――うん。忘れたい忘れたい、と思うと余計にどんどん出てくるってところが絶対あるやんか
<うん>
――俺はな、よく自分ではサーフィン、サーフィン言うてしまうけども、やっぱこう波乗りとかしてるとやな、その時間、嫌な事とかこう忘れるような時があんねん
<はい>
――だから俺はやっぱりこう何か・・・何か夢中になる?それはもうライブとかでもええしやな
<そうですね>
――まどっちか言うと命懸けの事の方がよりええねんけどな(笑)。スカイダイビングやってみるとかやな
<(笑)>
――もう一気にこの、岩登りのフリークライミングやってみるとかやな
<一気に飛んでみましょうか(笑)>
――もうそうやってたら、もう思い出す暇もないんちゃうかという風に。もう今の判断をしないといけない、というような状況に迫るような。そんな命懸けっていうのはアレとしてもやな。ま、それぐらい何か夢中になれるようなもの、これ自分が今好きなもの、それをやっぱりこう、やるっていうのが・・・
「24歳っていう部分でね、非常にまたドーンとしたね、これあの何かのきっかけでね、また恋愛の燃え盛る想いってのは、また必ず現れてきますしね」
――必ず現れるわ
「そしたらまたこれはね、今マーキーさんが言った部分とね、また必ず現れるっていうこの希望の部分ってのは、これは必ずあるわけですから」
<はい>
――なー。よっしゃ今日はもう・・・ええやん、宮本君
「いやいやいや」
――その調子やったら大学卒業できる。その調子で行け!その調子で
「(笑)」
<(笑)>
――ということで、たまちゃん
<はい>
――そういう事やからな。うん。これからの出会いはどんどんあると。これは間違いないわけやから。うん。まあ引きずるところは引きずりながら、どんどんどんどん新しい出会いをしてったらええんちゃうか?
<わかりました>
「頑張ってください」
――よっしゃ。ほなあのパワーいっぱいに。頑張ってやー
<ありがとうございました>
――じゃあ、「ソニT」出しときますんで
<はい>
――たまちゃん、気付けて帰りや
<ありがとうございます。気を付けて帰ります>
――ほなその、宮本君が持ってきたその水ようかんの箱だけ、それだけ持って帰って
<はい。ありがとうございます(笑)>
――箱だけね
――手紙でも入れとき
<(笑)>
――んじゃーねー。気付けて帰りやー
<はーい。またお願いしまーす>
――お大事にー
――いやー、今日はな。ほら見ろ土井ちゃん
――ねー
――宮本君はもうこのクリニックのあと継いでもうてもええぐらいや、俺は
「(笑)」
――はよ卒業してくださいね
「ありがとうございます」
――その黒の白衣やめい。黒の白衣
「(笑)」
――なー。医者やったら白着ろ。白
「そうですね」
――な。ちょっと考え改めよ
「はい」
――よっしゃ
このコーナー中ずっと、口数も少なく真剣に恋の悩みを考えている宮本。
「あのね、マーキーさん。僕、昨年の夏に免許とりましてね」
――ほー
「これまあでもねえ、ちょっと今、車壊れちゃいましてね」
――何でやのん?
「いやあのー、雨で。東京の方1回雨で、大雨で水没しちゃって、それ廃車にしちゃったのもあるんですけどね」
――水没!
「ええ。その後またすぐまた車買ってね、これ乗ってたんですけどね。何かオイル漏れしちゃってちょっと・・・」
――なんやなんや
「ま、それはそれで結構な事なんですけどね」
――どない結構やねん?(笑)
「(笑)いやあの・・・歩いてんですよ」
――今?
「ええ。そんで今もちょっと大阪のね、これあのジュンク堂っていう本屋、おっきな本屋さん行って、本買ってきたんですけどね」
――ほー。歩いて
「歩いて。でねえ、昨日池袋、東京の方でね、やっぱり本屋さんがいっぱいあってね・・・これやっぱ歩くのいいですわ」
――歩くのええわ。歩くの
「ちょうど季節もいいでしょ」
――季節がええ
「非常にその秋の部分のね。あのまあでもねえ。マーキーさんほんとね・・・人間いろいろありますね、これね。極端に言いますと」
――あるな。やっぱ歩いてるとやっぱ何かと見えてくるわな
「まあねえ、その、マク・・・ハンバーガーなんかね、非常に食生活のかたよりでね。またこの吹き出物なんかも出てきちゃってるとこがあって」
――そんなに食うな(笑)
「ええ、そんでね。まあ非常にそのコンビニの弁当とかね」
――コンビニの弁当。何であんな全部温まんねん、あれ
「そう。そうなんですよ!」
――コレとコレだけ温めてくれよ、っていう
「それあるんですよ」
――キュウリ揉みまで温まってるがな。どないやねん。たくわん温めてどうすんねん
「漬物の類も温まってる、みたいなね。までも非常にね、料理が非常に好きでね、マーキーさん」
――ほんま
「だけど今オール電化のね。食卓の、台所がこれオール電化の部分があってね。電気のやつ、やっぱ中華なべ使えないんですよ」
――あー
「だから非常に火の部分でまた燃え上がる、みたいなとこもあったりして。だからその、中華なべでまた料理作って、自炊でね、また炒め物作りたいなーってのがあるんですよ。希望としてね。食欲の秋ですしね」
――炒め物。ほー。自分で作ったものが食べたい
「ええ」
――これ自分で料理、作るもの自分で作るってのと、ちょっと歩いてどっかまで行って帰ってくるてのと似てんな
「そうなんですよ!」
――自分の力で何か全部やっちゃうというところが
「そう!」
――もうめちゃめちゃ充実すんねん、これ
「それでね、僕、アパートなんかもね、マーキーさん。不動産屋さんあるでしょ?あんま頼まないんですよ。要するに自分でね」
――なるほど
「例えば、車なんか便利だなーと思ったのは、夜中に車でこう行って、例えば外から見て『このマンションいいな』と思って、もうそこがいいんです。『ここ、どうですか?』ってもう聞いちゃうの。じゃないとね、もう、なかなかやっぱ何でも自分でやるって・・・これ限界があるんだけどなあ(笑)」
――そうそう、それで限界あんねんけども、一番おもろいところや、っていうところに気ぃ付いてきてるっていうか。例えばゴルフとか行ってもな、キャディーさんがついてな、『残り150ヤードです』とかってポンと言われる時あんねん
「ええ、ええ」
――ちょっと待ってくれよ、と。それ俺が考えさしてくれや、と。大体残りどれぐらいあんのかとか、そこが一番おもろいんちゃうんか、とかって思ったりするねんけども
「でもね、それキャディーさんに言われてね、ちょっとこうムスッとしてるマーキーさんの顔、浮かびますね。ちょっとね。仏頂面のね(笑)」
――(笑)そんなこと言うてるわけやないねんけども、自分で考えたほうがおもろいやんか、っていうところがあったりとか
「ええ。ありますよね」
――自分で全部やるっちゅうのがな、何かすごいやっぱりこう、気持ちのええもんがあるよなあ
「できるところまでのね。ええ」
――そうか、ほな、どんどんどんどんそうなってるんや。歩いて
「そうなんです」
――でもこれ約束してるとこやったら、これもう、なあ。2時に約束してて歩いたら2時間かかったら、これ約束間に合えへんもんな
「あーそうですね。ま、ほんとに歩くってのは、バスとか車だとすぐ行っちゃうようなところでも、歩くとまた1時間2時間かかっちゃったりしますからね」
――そうやん。富士山なんかもう、歩いたらえらいかかるけど、ヘリコプターやったらポーンやもんな
「そうですねえ(笑)ええ(笑)」
――なあ。あれどっちでも『山頂に乗った。わっはっはー』言うてるけど
「『わっはっは』」
――その気持ちの中の気持ちよさってのは
「ありますよね」
――これやっぱ、てこてこてこてこ登って歩いた時の気持ちっちゅうのは
「まあでも富士山ってのは、あの火山の部分でね、非常にその5合目以上になるとまた、火山の、岩石が集中してあるって部分のね、何かこの殺伐とした風景の、ま非常に地獄絵図っていうか、場所(笑)ある種ね」
――行った事あんの?
「富士山の5合目ってのは山梨県でね、東京から割と近いドライブコースですから」
――5合目はまああるけど、それ以上、上やで?
「上はね」
――上は
「あれ断念しました。5合目から上がろうと思って歩いたらね、あれもう急斜面でね」
――あ、そうなんや。意外と
「息切れの部分がこれ非常に出ます」
――でもやっぱ富士山ぐらいは登っとかなあかんやろ
「日本人ですからねー」
――日本人やから富士山のひとつも登って・・・
「あります?」
――ないんねや
「(笑)ないですよね(笑)」
――(笑)なんかこうなー、登りたいなーっていっつも思ってる。あかんな。言うてるばっかはあかん。もうこんなん2度と言わんとくわ
「(笑)」
――今度『登ってきた』っていう報告を出来るようにするわ。いつも言うてしまうねん。何々行きたーい、とかな
「あー」
――今日も友達と『何々したーい、あれしたーい、これしたーい、したい、したーいばっかり言うてるやつはアカンのー』言うて
「まあでも元気の源ですからね。その『何々したい』って部分がね。これまたひとつね。ええ」
――なるほどな。何かこう『やった』いう話を早よしたいなーというのをな、思うねんけども
ちなみに、宮本がジュンク堂で買った本は
「明治時代のね、外国人のね、あのー来たっていうね、本買いました」