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FM802「プライベートラウンジ」より

DJ=西任暁子/ゲスト=エレファントカシマシ 宮本浩次
(2000年4月28日放送)


 シチュエーショントーク

<テーマ>
デートのドライブ中にかける曲(自分達の曲以外で)

<設定>
(宮本=彼氏) 33歳、売れない作家
(DJ西任=彼女) 26歳、OL
久しぶりのデートでの車内の会話、というシチュエーション


(車の騒音)

「ねーねー、今日どこ行く?」

「いやーまあ久しぶりなんでね、これね極端な話ね、どーしようかなーって思ってんすけど。あれだね、やっぱ高速道路がいいんじゃない?高速道路ビャーっとさ。ぐるぐるまわりましょう。これね。ぐるぐると。はい」

「ぐるぐるまわっちゃう?えーじゃあどこも目指さない感じで?」

「ただねー。僕非常にね、あのー、運転という部分ではね、あの非常にアレですからね」

「なになに?」

「だからさ、あの、あのー、ど、あんまし面白くないと思うんですけどね。ぐるぐるぐるぐるまわってね」

「でもデートだからさ、面白くないとさ」

「んーまぁただね、夜景なんかも見えますからね」

「あっホントー?」

「あの、車からの、車窓からのね、また非常にあのー、あのねこの阪神高速ってのもね、なかなかあの、いいですよ、夜。昼間は混むみたいなんだけどさ」

「うんうんうんうん」

「あのー、シューっとね。だからそういう部分で行きましょうよ。ドライブね。ええ」

「(笑)」

(クラクション)

「まやっぱり昼間だからこれ渋滞してるよー。ピャーってわけにはいかないよー?」

「これやっぱりね、あの今あのーあれじゃない?あのやっぱどーしてもゴールデンウィークと重なっちゃってるからねー、極端に言っちゃうと」

「そうだよー。明日からゴールデンウィークだもん」

「そうなんです。それでこれでやっぱどーしてもみんなね、やっぱ遠出っていう部分で集中的にね、この時期ってのはみな出かけますからね」

「そうだよー」

「こーらしょうがない所がある」

「ねーこれじゃ高速気持ちいいってゆーさー、そーゆードライブになんないじゃん」

「もっともねー。しかし非常にこのまたその音楽っていう部分でね、またこのラジオから流れる音楽、またそのCDも僕は持ってきてますからね」

「CD持ってきてる?!」

「えー持ってきてますよ。もーこれ」

「おっけー!」


ここでシチュエーショントーク終了。設定が全く意味をなさない、芝居っけのない素のままの宮本。ドライブ中にかける曲として宮本が選んだ曲は、

 「ピープル・オブ・ザ・サン」 レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン

ただし宮本曰く、

「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの2枚目のアルバムの1曲目」 (タイトル覚えてない)


 「情熱の揺れるまなざし」をかけた後のトーク

――お送りしたのはエレファントカシマシ、ニューアルバムから「情熱の揺れるまなざし」でした

「なかなかこれロックスピリッツあふれる非常にヘビーな曲ですけど、なかなか面白い歌詞なんかも入ってましてね。やっぱこうサウンドをね、今回僕ら打ち込みでやったんですけど、そうすると随分自由になるっていうか、歌詞なんかもね、『ガストロンジャー』なんて曲僕らシングル第一弾で出しましたけど、随分やっぱり、今までとほんと違った歌詞なんかも出てきやすくなったりとかね」

――バンドだとそれぞれのメンバーがプレーするのに対して、今回は宮本さんがやりたい事をストレートに表現できたわけじゃないですか。それはやっぱり大きかったんですか?

「そうです。今までだってもちろんストレートだったんだけどね。ま非常にあの、車取ってドライブしてさ、また僕はエアコンなんかでもね、要するに文明の利器っていうのかな。だからメンバー、新メンバーぐらいに思ってましてね、機械のことをさ。おっしゃる通り、直に熱い温度っていうか、非常に形にしやすい、まあ今まで僕らなにしろ17、8年メンバーと、なにしろ『リハ、リハ、リハ、リハ、リハ』つって寝ても覚めてもリハーサルやってましたからね。そういった部分からまた違うね。みんなもちょっと辛かった時期があったからさ」

――今回のことは、メンバーは寂しくないんですかね?

「寂しいと思いますよ、これは間違いなくね」

――そのへんはちゃんと話はしたんですか?

「そう。最初しょっぱなにね、メンバーにさ、『ちょっと今回は打ち込みでやるから』みたいな、ただそれでもね、『なんでミヤジおいそんな、俺らメンバーいんのに機械なんてやるんだよ』とかこれみんな思ったと思うんですね。だた非常にライブって部分でね、これまた面白いもんでさ、機械と一緒にライブやってんですよ、今。僕らなにしろもう、揺れるのも何も、宮本の歌とギターにすがりついてでもやるんだっていう、ある種の面白さ、味のある4人のコンビネーションが、ひとつの僕らのスタイルだったんだけどね。でもそれじゃなくて要するに、もうリズム隊に関しては機械でキチッキチッとやってくって部分で同期してやってますんでね。そうするとメンバーなんかやっぱある種、悩んでた部分があるからさ。『なんで俺のリズムは揺れちゃうんだろう』とかさ、いい意味でのね。そうすると機械の部分にもそれを委ねるっていうか、ま放棄しちゃうっていう、悪く言うと放棄してるんだけども。ただその分、非常に自分達のグルーヴをね、機械に調子合わしてやってくって部分でね、おそらくみんな無口だからあんまり語らないけどさ、その新しい僕らのやり方ってものが、すごくわかりやすい、なにしろ僕はほら、さっき言ったでしょ?機械に対して自分のギターと歌を乗せていくのってすごいこう、非常にハッピーだったんです。それはなぜなら僕は非常にギターにしろ歌の歌い方にしろね、ある種の癖の強さを持ってますからね、それに全く揺らがない機械ってものは、こんなにありがたいもんはなかったです。だから非常にグルーヴとして成立しやすいっていうかさ。でリズムのパターンなんかも僕が全部考えちゃったしさ」

――でも全く一人で、「バンドのメンバーいません」って言われたら、それはそれで寂しいでしょ?

「これはね、話にならないですよ。やっぱ石くんっていうね、ギタリストのね。曲作る段階から彼にはずっと2人でやってきましたんでね、本チャンのレコーディングやる前からね・・・本チャンのレコーディング昨年の9月頃からやりましたからね。もうその前から昨年の1月ぐらいからずーっと曲作りから2人でやってきて、で今ようやくライブでね、こうやってこう4人で、あらためて僕らの、僕のまあ作った曲をさ、だから非常にお客さんなんかもね、京都と神戸、それから何個所かやりましたけどね、『わー宮本たち、またエレファントカシマシなんか面白いことやってくれるんじゃないか』っていうようなそんな期待感の非常に感じられる、いいコールアンドレスポンスが生まれつつあるなっていうように思いましたよ、これは。ええ。みんなだから非常に楽しんでもらえるんじゃないかなと思いますよ。これ僕ら新しい方で、どんどんどんどんこう、詰まっていくと思うし。演奏することによってね」

――現在ツアー中なんですけれども、大阪は6月9日金曜日、10日土曜日、梅田ヒートビートで行われますが、チケットはもちろんソールドアウトですね

「これはだから『ロック草の根運動』と称してね。だってね、ほんと難しいですよ?僕らこれフリーコンサートっつってさ、例えばゲリラ的にね、例えば大阪のどっか心斎橋とかさ、例えば東京で言えばどっか渋谷とかね、そんなとこでライブやりたいっつっても、これはいろんな問題があってさ、騒音とかなんかそういうのがあったりとかしてね、なかなか簡単にできないじゃない?昔だったらもうちょっと簡単にできた事かもしれないよね、100年200年300年前だったら・・・縄文時代とか。ま江戸時代は江戸時代でまたいっぱい決まり規則があったのかも知れないけどさ。だから非常に何とかしてライブでね、日本をね、やっぱこう、高度な社会ですから非常に自由って部分でね・・・たいして変わんないんだけど。だけど勇気、また力って物を僕は音楽から感じますよ、ほんとに、ええ」

――音楽があってよかったですよね。宮本さんにとって。本当に

「ええ、これは非常にラッキーでした」


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