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ウーハンさんとエレカシとの出会いをたどる

(05/6/7回答)

――今日は一問一答形式で、エレカシファンになったきっかけを根掘り葉掘り探っていこうという企画です。どうぞよろしくおねがいします。では、最初の質問はお約束ということで、お名前を教えて下さい。もちろんハンドルネームで結構です。

「ウーハンです」

――最近は、やれセクハラだ個人情報保護だとうるさいので、住所、年齢、職業、性別等はあえてお伺いしません。と一応、網を張ってみます(笑)

「特に無いです」

――さっそくエレカシとの関わりを探っていこうと思うんですが、そもそもエレファントカシマシっていうバンドを初めて知ったのは、いつ、どういう形でだったんですか?

「90年くらいか。高校の頃。夕方学校から帰って再放送されてた「スクールウォーズ」を見るべく。テレビをつけたらTVKかなんかがやっていて「い゛え゛え゛え゛え゛ー!」と歌う人「なんだこの人?!エレファントカシマシ?変な名前」そして「イソップがオレを呼んでる。岩崎良美も」とチャンネルを変えた。あれが出会いだと思う。「変な名前」で印象に残ってる。歌まで覚えてない。今思うと宮本よりイソップを取った自分が悔やまれて仕方ない」

「それから数年して夜中テレビをつけると歌う人「エレファントカシマシ?変な名前。しかも怖い」そしてチャンネルを変えた。あれが再会だ。その時。しばらく聴いてたように思う。また真夜中の番組でゲストに出てる人。「なんだこの人?」とテレビを切る。途中から見たのと眠さで記憶がない。『東京の空』もなぜかカセットテープがあった。が聴かなかった。「誰かのささやき」を気に入って借りた気もするが。どこで聴いて。どうゆう経路で手に入れたのか全然分からない。初めて聴いたアルバムにはならないと思う」

「ポップジャムで(今思うと)「孤独な旅人」を歌う人。しばらく聴く。「いい歌だな」と思う。別にそれだけだった。同年。反町の出てる某お菓子会社のCMで「悲しみの果てにー♪」という音を聴く。96年だった」

――当時の印象って覚えてます?

「「いい歌をいい声で唄うなー」と直感で。画面右下に白文字で「エレファントカシマシ」と書かれていた。名前を忘れないように。近くにあったティッシュの箱にメモを取る。その後CMが流れる度にハッとする。この歌ってる人たちのことが気になる」

――なるほど。で、その時は何かしました?

「名前を忘れないように。近くにあったティッシュの箱にメモを取りました」

――それでは、初めてリアルタイムで買ったアルバムって何ですか?

「『ココロに花を』が初めて買ったアルバムです。次に買ったのが『明日に向かって走れ!―月夜の歌―』だった。『明日に…』は近所のTUTAYAで買った。当時。アルバムは発売日前日夕方に買えるということを知らず。前日に手に入れられたことにものすごい喜びを感じていた。自分だけかと思ったので。あはは。バカじゃん」

――そのアルバムが出た頃がエレカシファンとしての始まりと思っていいんですかね?

「そうです」

――そのアルバムが、アルバムとして初めて聴いたエレカシだったんですか?それともそれより前に何か昔のアルバムを聴きました?

「いや聴いてないです」

「アルバムよりも先にシングルを買っていたんで。そっちの出会いをここに書きます。CMで気になった「悲しみの果て」を聴きたかったので。渋谷タワーレコードで「エレファントカシマシ/悲しみの果て」を971イエン(税別)で買う。ジャケ写の宮本を見て「こんな人が歌っているんだ。なんかカッコイイぞ」と思う。帰宅し早速聴いてみる」

「グワーッと気持ちが高揚する。「いい歌を歌うなあ」C/W「うれしけりゃとんでゆけよ」を聴く。「…ハッ!!」とか「ほっ!」を聴いて 「…和田アキコみたい」と本気で思う。当時はそう思った。すごくいい歌だと思った。この時に一緒にJUDY AND MARYの「クラッシック」とカジヒデキの「ラ・ブーム」を買ったんだよなあ」

「シングルを擦り切れるほど聴いて。それにしてもいい歌だなあ。声が良いなあ。と思い。すぐにまたCD屋ヘ。で。そこでアルバム『ココロに花を』を見つける。 内容を見ると「悲しみの果て」も「うれしけりゃとんでゆけよ」も入っている。「きっと後悔しないな」と思い。当時3500イエンしか持ってなかったが買う。あの時買って良かった。偉い」

――その初めて体験したエレカシのアルバムはどうでした?通して聴いた時の感想、覚えてます?

「うーん!いきなりの「新聞読んでー♪」で。「悲しみの果て」のみのイメージだったので「ドビッシャー男」聴いた時は…ドガーン!!!!!ボガガガガーン!!と体の中のマグマが爆発して。溢れ出した感じでした。脳内活火山状態。血が逆流した。震えた」

――シングルの場合は買わない人もいると思うんで、エレカシファン歴の参考にはならないかもしれませんが、せっかくなのでお聞きします。初めてリアルタイムで買ったシングルって何ですか?

「2バージョンの後の方「悲しみの果て」」

――それでは、いよいよ核心に迫る質問なんですが、エレカシファンとして今に至るスタート地点ってどこだったんですか?エレカシのことが最初に気になりだしたきっかけを教えて下さい。

「やっぱアーモンドチョコレートのCMです。グリコよ反町よ。エレカシをありがとう。「青春はかじってみなきゃわからない」とかいうキャッチコピーだった。反町がボクサーの役でランニングしてるCMだった。きっかけってそんなもんだった。宮本のキャラクターとかどんなバンドなのかとか。全然知らなくても良かった。とにかくこの曲の全てに自分のエレカシファンとしての原点があります。初期衝動」

――さっきの質問とセットなんですが、そのスタート地点を経て、自分の中でエレカシファンになった決定的な出来事というか「この瞬間にこのバンドにハマったんです!」みたいな分岐点ってありました?

「当時やっていたバイト先が横浜で。たまたま時間潰しに入った本屋にROJの「走れ!エレファントカシマシ」のタイトルがあって。表紙の宮本と眼が合った(笑)運命的なものを感じた。うわー!!!!♂×#Σ△η♪□!!!!!と。思った。買った。前後して「ドビッシャー男」と「孤独な旅人」のプロモ観たことかな。TVKでエレカシ特集を30分やってて。「ドビッシャー男」のプロモ観てビビッタなあ。あのギターの弾き方とか唄い方とか。「イエー!」ってシャウトするところの宮本のあの眼で刺された。釘付け。その次の「孤独な旅人」も。あの最後で(笑)ガビーン!って具合。そんなふうにハマる瞬間が偶然沢山重なったところだと思います」

――今までエレファントカシマシを聴いてきた中で、一番衝撃的だった曲って何ですか?

「99年11月9日の新宿リキッドルームで聴いた初披露「ガストロンジャー」。その時のライブレポを載せます(一部改正)」

「新曲3」
コレもギターが唸る。唸ってぐぁぁぁぁぁぁ!!!宮本がラップでもなく。音に合わせて歌ってるようでもなく…ただ、宮本が早口で何か捲くし立てるように言葉を投げつける。「正直言って…」「かといって全然素晴らしいものとは思わない…ああああああああああぁぁぁぁあぁぁあぁぁあ!!!!!!」「もっと力強い生活をこの手の中に…OH 胸を張ってー!!!OH 胸を張って出かけようぜー!!!」「…敗戦に象徴される黒船以降の欧米に対する鬱屈したコンプレックスを一気に解消すべく…我々の上の世代の…」「豊かさとドッチラケだよ…」「わけわかんねえよ わけわかんねえ…化けの皮を剥がしに行こうぜ」「くだらねえ世の中!くだらねえ俺たち!お前そんなの100年前から変わってねえよ!おめえそら縄文時代からやってるよ…あああ??」「おれぁロックンロールバンドだ…あいつらの化けの皮剥がしに行くぜ…さっきおめえ結論した…結論したよおれぁ…キリスト教の聖書に載ってることは…おめえそら、B.C.時代から同じこといってんだよ、オイ!がっかりすんなよおまえ…がっかりすんな」「だから胸を張ってそう!だから胸を張って!そうさ、だから胸を張ってさ!だから胸を張って!そうさOH 出かけようぜ!OH 勝ちに行こうぜ!」「できるかぎり…できるかぎり己の道を歩むべく反抗を続けて」「胸を張ってさ、そう!!」

そのまま退場。ぐったりとしたトミの姿が印象的だった。

なんか言葉にならない。歌詞を並べても仕方ないか。コメントが上手くできない。機関銃のように捲し立てる宮本に3人が合わせてるようだけど。逆で宮本が音をきちんと聴きながらぐちゃぐちゃにしてる。コレを聴いて笑うのか。すごいと褒め称えるのか。恐ろしくて震え上がるのか。サイテーと言いコバカニするのか。オレは恐ろしくて震え上がり。そして宮本に宇宙を感じ。COSMOSを観た。ホントに観えたんだ。宮本の後に銀河系みたいなのが一瞬見えた。うわ自分でおかしくなってると思った。全く予測不可能。無限のパワー。

開口一番「すごい良い!!!全然違う!!スゴスギル」

呆然…何を観てしまったのか。立ち竦んでいた。アンコールの拍手の中。ボケーっとメンバーが消えた後のステージを眺めていた。 かなり後の方で観ていたし。リズムもいつもより殆ど踏まないでいて。今までよりもかなりじっくりと冷静でいたように思ったが。にもかかわらず。最後の曲はあの場にいた全ての人が荒ぶる宮本をただただ見守ってるしかなかった。無理だ!とんでもない人がとんでもない歌を歌ってるんですよ。こりゃぁスゲーことになちまった。

宮本のシフトはドンドン上がり。加速していく。激烈まさに…激烈だ…そして革命が起きる!起きてしまった。開演前に聴いた「革命」の答えはこれだったのか…。

暗闇の中で手探りで何かを掴み取ろうとする宮本の姿。どの新曲も「旅の途中」のような優しく語りかけるといった宮本は居なくて激しくゲキを飛ばす宮本だった。どこかでコメントを言ってくれないだろうか「こんな感じだったのです」とかなんでもいいから。

宮本本人が今回の移籍第1弾に持ってきたこれら新曲のコメントしてくれないだろうか。逆に聴いてるそれぞれが 自分なりの理解をすれば良いのだが。それが基本だろうけど。今回は是非聞きたいです。『愛と夢』の制作過程よりもこっちの方がよっぽど興味シンシンだ。ばーん!どうだ!コレがオレの次の表現だ!!!!っていうのを目の前にしてあわわわって感じでした。

同行者と別れ。一人電車に乗ってても考えがまとまらない。混乱していた。完璧に。今もまだ多少。ツアーでもっとじっくりと見て感じてみるしかない。 何てスゴイバンドにいかれちまったのだろう。エレカシ宮本!!このサムライ…何処へ行くのだ?

うまくまとまりません。とにかく名古屋で見てからの久し振りのエレカシ。全然違いました。素晴らしかったです。凄過ぎました。びっくりしました。ありがとうございました。

――初めて行ったエレカシライブはいつでした?生で体験したエレファントカシマシはどうでしたか?

「98年1月3日の日本武道館。1曲目。「奴隷天国」でした。初めて観るエレファントカシマシの1曲目が「奴隷天国」だった。度肝を抜きました。宮本に射抜かれてしまった。27曲くらいやったと思います。長かったなあ…まだやんのか?って。2時間30分くらいやったと。いきなり。正月から(笑)」

――エレカシ熱が下がった時期ってありますか?エレカシ熱が再び上昇したきっかけがなどあればそれも教えて下さい。

「生活の一部。体の一部と化しているので「エレカシ熱」とかそういう次元じゃないです。血です。肉です。骨です。内臓です」

――なかなか難しい質問かもしれませんが、お約束なので。好きなアルバムをエピック時代からと、それ以降から1枚ずつ選んでもらえますか?

「全部です」

――もっと難しい質問かもしれませんが、好きな曲をいくつか教えて下さい。これはどうぞ気が済むまで挙げて下さい(笑)

「全部です」

――ところで、エレファントカシマシを好きになる以前にハマったバンドや歌手っていました?

「それまでハマったバンドとか歌手ってないです。一瞬なんです。全部。聴くのが。というよりも音楽っていうモノ自体に今ほど価値を感じてませんでした。だからどのバンドが好きとか。どの歌手が好きというよりも。BGM的に聴いていたんだと思う。あと兄弟とか知り合いがいいよ!っていうのを借りて集中的に聴いたり。当時バンドブームっていうこともあったので。いろいろ聴いていたけど。人に薦められて聴いていたかもしれない。自分で見つけて選んだのはエレカシが初めて。ライブに行ってアルバムを買って音楽雑誌を買って…なんて思いもしなかったなあ。したら他のバンドはどうなんだろうってなって。学校のサークルに偶然。エレカシを聴くよ!しかもパオに入ってるよ!っていう奇特な(笑)友人がいて。その人はエレカシ以外のライブに沢山行っていていろんなことを知ってる人だったので。その人に聞いていろんなバンドのライブに行ったりアルバムを買って聴くようになりました。だから。エレカシがきっかけで今のような音楽生活になったので。いろんな意味でものすごい運命的なものを感じますよね。宮本が存在してなかったら…もしエレカシと出会うことがなかったら…と思うと。ぞっとする。運命変わってたと思う」

「それまでは大体CMやテレビで流れてる所謂「流行っているシングル」をレンタルしてテープに入れて。ワンシーズンそれを聴くというパターン。それまでCDを買うっていうことすらそんなにしたことがなかった。ライブに行く意味があるのか?ぐらいの勢い。家でCD聴いてりゃいいじゃんって。今じゃあこれバカみたいにライブジャンキーで。首が回りません」

――なにぶん不慣れなもので、質問の仕方がまずくて掘り下げが浅かったり、つじつまがあわなかったりした部分もあったと思うんですが、何か補足することはありますか?

「逆にこんなに話が長くなってごめんなさい。こんなに長いだけで…面白くないですよね」

――最後にひとこと。エレカシの歌詞でお気に入りのフレーズをひとつ。

「『男の生涯にとって、死に様こそが生き様だ。…残された時間の中でぼくら死に場所を見つけるんだ。ぼくら死に場所を見つけるんだ。それがぼくらの、ぼくらの未来だ。』…本当は選べないが。今はこれ」(「歴史」)

――これからもお互いディープなファンを目指してがんばっていきましょう(笑)。今日はありがとうございました。

「まささん。おだラジの断片を預かって下さって本当にありがとうございます。もう少しお世話になりますが宜しくお願い致します」


「エレカシ熱」を尋ねるのが愚問だったほどの、ウーハンさんの激烈で熱いキモチが伝わってきたと思います。決して露出が多いとは言えないエレカシを何度もテレビで見たというのは、やはり運命だったのでしょうか。ウーハンさん、ありがとうございました!


エレファントカシマシ入門サイト good morning (http://elebox.moo21.com)