解説=エレファントカシマシ 宮本浩次
(1998年12月号)
一曲目に相応しくある種の決意表明が明確に出てる。よーく聴くと、ボクのDX-7っていう古いシンセのノイズも入ってる。
イントロの非常にチープな感じのオルガンは、おなじみの佐久間さんのシンセ。
これは非常にトーンが優しい曲。
ボーカルを重ねてる。アルバムの中で聴いた時に、またひとつパワーアップして聴こえた。歌詞、メロディー、歌い方、アルバムを象徴するまさにシングル曲。
力強いギターのリフから徐々に盛り上がる自然な展開など、ボクの作業の中で非常にストレートにできた、シングルとしてアルバムを代表する曲になったと思う。
まったく叫ばない歌い方は初めてで。実を言うと、集合住宅なのでうるさいと上の階からドンドンやられちゃうんで、大きい声が出せなかったんだけど(笑)。ただ、完成したデモテープを聴くと非常に自然だったし、メロディー、曲の雰囲気と相まって、“真夏の星空は少しブルー”なんてコトバが非常に自然に響いてる。僕は非常に好き。
聴き手をボクらと同世代の男たちに想定して作った曲。歌詞が昔のエレカシっぽい。石クンのスライドギターが渋い。
ホントはもっと高揚しない曲にしたかったんだけど、ボクのギターがカッコよすぎて、少し盛り上がってしまった(笑)。
ボクのやった拙い打ち込みデータの修正に6時間もかかっちゃって、佐久間さんが<老眼鏡と頭痛薬……>ってうなったという。次からなぜか、佐久間さんのほうから<宮本クン、こんな感じでいいかな>って先にやってくれるようになっちゃった。
シングルバージョンより、笹路さんのオルガンと土方さんのアコギが前面に出されていて優しい感じになっています。
エレカシの新たな一面を感じてもらえたらうれしい。レコーディングの前に聴いていたベックの影響、多少は出てるかな。