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FM802「ソニックスタイル」より

DJ=マーキー/ゲスト=エレファントカシマシ 宮本浩次
(2000年9月19日放送)


 ソニッククリニック

「あなたのお悩みを音楽で癒します」

<設定>
Dr.マーキー:クリニック院長
宮本先生:Dr.マーキーの友達。医学部学生
土井ちゃん(番組アシスタント):クリニック看護婦
本日の患者(電話):たまちゃん24歳。エレカシのライブにも良く行く

<本日のお悩み>
長く付き合った彼と別れてしまった。新しい恋をしたいけど前の彼が忘れられない。どうしたら彼の思い出を忘れて新しい恋ができるんでしょうか?


――宮本君。これえらい事になっとるで

「これはでも難しいって、苦しいですね、これかなりね。ま好きな人いるにはいらっしゃる?」

――たまちゃん、いてんねやろ?好きな人も何人かは、こう

<はい。こう気になる人、かっこいい人はいるんですけど・・・うん>

――ほー。踏み込めない

<そうなんです>

――ほー。何が邪魔しとんねん。これはやっぱりその、その面影が邪魔しとる・・・宮本君。眉間にしわ寄ってる!そんな険しい顔・・・

<(笑)>

「(笑)いやいや、難しいなと思ってね。これ」

――で、まあ自分としては、どうしたいんや?

<あの、もうきっぱりその前の彼氏の面影を捨てて、できれば次の恋愛にガッと・・・>

――行きたいと。という事は今日はクリニックに来てくれたのは、その前の彼の面影をどうやったら消せるんやろう、消して欲しいっていうような、そこを一番やって欲しい事やねんな?

<そうなんです>

――はっはあー

「なるほど」

――なー。これ・・・宮本君、何かあのー、出たか?

「ええ。あのね。ま非常にその好意的にエレファントカシマシのライブなんかね、たまちゃん、みえてるって部分もあってね、『sweet memory』なんてね、“君もロンリー、俺もロンリー”。でも汗を光らせ新しい恋を目指そうよ、みたいな歌詞も入ってますんでね、これ非常に『sweet memory』っていう曲いいんですけど、これ別に宣伝じゃなくてね。単純にそういう部分でね。宣伝って言わなきゃ誰も気づかないのに言っちゃった。まいいや。そんなこといいんですけどね。そんな部分と別にね・・・」

――宮本君、暴走やな

「ごめんなさい(笑)それひとつあったんですが、まあ、かかったって部分でね(注:この曲は既に別のコーナーでオンエア済み)、マーキーさん、たまちゃん。部分がありますから。非常にね、これまた激シブで、シブすぎたかなーと思いながらも、非常に本質論です。これまあ、あのー愛してる人がいて、次に行きたいって部分がこれ、たまちゃん、あるわけだから」

<はい>

「非常にその激シブだけどもね、1曲今、激シブの部分で浮かびました」

――浮かんだ

――あ。出ましたか!

――じゃあね、ちょっとあのー、たまちゃん。そこベッド寝て

<はい>

――今から1曲出すから。あのー、宮本先生がちょっと特別に出してくれたみたいやから。ちょっとヘッドホンかけてや

<はーい>

――今日はミトンのやつかけてや。あのふさふさっとしたやつな・・・そうそうそう、それかけて

<もう元気になりそうです>

――宮本先生、これボリュームどれぐらいで?

「いやー。激シブなんですよね。なのでね、まあでも本質的な部分で。こういうところ僕もね、これありますよ、はっきり言っちゃえば。ま非常に恋愛の部分じゃいろいろ悩むっていう事は」

――あるわな、これ。誰にでもあるっていう

「てことはありますから。ま、ていう部分でね・・・ええ。普通ぐらいで」

――普通ぐらいで?!

<(笑)>

――普通かい!まままま、こういう先生やからまあ許したってや。ほな、5の目盛りでそこに寝てくれるか

<耳ごこちがいい感じです>

――よっしゃよっしゃよっしゃ、ええ感じやろ。ほな宮本君その曲、早よちょうだいな

「ええ。じゃあこれを」

――それタバコやがな(笑)

「ごめんなさい(笑)もう言えばいいですか?」

――もうあれか?預けてあんのか?土井ちゃんに

「ええ。あのー預けました。ええ」

――土井ちゃん、土井ちゃん。それらしいわ・・・そんなお前、水ようかんの箱に入れといてどうするんや

「(笑)」

――こんなとこに入れてどうする。わからへんやろ?俺、おみやげかな思ったやないか

<(笑)>

「(笑)」

――まあそこに入ってるらしいわ

――いいですか?ちょっと冷やしときましたんで。これ

――いやー。ほんまに入ってるがな、CD(笑)ほなそれいこか


 「ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ」


――たまちゃーん

<はい>

――どうや?

<もうなんか・・・>

――ちょっと切ななってきたか?

<ちょっと切ないですけど(笑)>

――切ななってきた?

<でも、愛を求めて頑張って生きていこう、っていう気持ちになりました>

――んー。これはまあ「ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ」というね。うーんこれはまああの、宮本先生が出してくれた曲やけども、ねー。これはやっぱり忘れたいと思ってる人間にはやっぱこの・・・

「ねー。忘れらんない部分ってこれ、どうしても出てきます。長く付き合ってたりするとねー。またねえ、非常にその共有する時間、またそのあらゆる部分でね。共有する部分が多いから。はい。難しい部分もあるとは思いますが」

――宮本君もそういうのは経験してきたんやろ

「これはやっぱあります。やっぱ長い、あのー僕なんか1個やっぱ3年とか4年とか、あのー『1個』ってね、恋愛『1個』ってのも変ですけどもね」

<(笑)>

「そういう部分もありますから。そうすっとやっぱどうしてもね、時間的なもの・・・」

――引きずってるという。たまちゃん、こういうのは引きずるんや。忘れられへんっていうのはもう忘れられへんもんやと思うねんで

<ああー。そうですかねえ>

――うん。忘れたい忘れたい、と思うと余計にどんどん出てくるってところが絶対あるやんか

<うん>

――俺はな、よく自分ではサーフィン、サーフィン言うてしまうけども、やっぱこう波乗りとかしてるとやな、その時間、嫌な事とかこう忘れるような時があんねん

<はい>

――だから俺はやっぱりこう何か・・・何か夢中になる?それはもうライブとかでもええしやな

<そうですね>

――まどっちか言うと命懸けの事の方がよりええねんけどな(笑)。スカイダイビングやってみるとかやな

<(笑)>

――もう一気にこの、岩登りのフリークライミングやってみるとかやな

<一気に飛んでみましょうか(笑)>

――もうそうやってたら、もう思い出す暇もないんちゃうかという風に。もう今の判断をしないといけない、というような状況に迫るような。そんな命懸けっていうのはアレとしてもやな。ま、それぐらい何か夢中になれるようなもの、これ自分が今好きなもの、それをやっぱりこう、やるっていうのが・・・

「24歳っていう部分でね、非常にまたドーンとしたね、これあの何かのきっかけでね、また恋愛の燃え盛る想いってのは、また必ず現れてきますしね」

――必ず現れるわ

「そしたらまたこれはね、今マーキーさんが言った部分とね、また必ず現れるっていうこの希望の部分ってのは、これは必ずあるわけですから」

<はい>

――なー。よっしゃ今日はもう・・・ええやん、宮本君

「いやいやいや」

――その調子やったら大学卒業できる。その調子で行け!その調子で

「(笑)」

<(笑)>

――ということで、たまちゃん

<はい>

――そういう事やからな。うん。これからの出会いはどんどんあると。これは間違いないわけやから。うん。まあ引きずるところは引きずりながら、どんどんどんどん新しい出会いをしてったらええんちゃうか?

<わかりました>

「頑張ってください」

――よっしゃ。ほなあのパワーいっぱいに。頑張ってやー

<ありがとうございました>

――じゃあ、「ソニT」出しときますんで

<はい>

――たまちゃん、気付けて帰りや

<ありがとうございます。気を付けて帰ります>

――ほなその、宮本君が持ってきたその水ようかんの箱だけ、それだけ持って帰って

<はい。ありがとうございます(笑)>

――箱だけね

――手紙でも入れとき

<(笑)>

――んじゃーねー。気付けて帰りやー

<はーい。またお願いしまーす>

――お大事にー


――いやー、今日はな。ほら見ろ土井ちゃん

――ねー

――宮本君はもうこのクリニックのあと継いでもうてもええぐらいや、俺は

「(笑)」

――はよ卒業してくださいね

「ありがとうございます」

――その黒の白衣やめい。黒の白衣

「(笑)」

――なー。医者やったら白着ろ。白

「そうですね」

――な。ちょっと考え改めよ

「はい」

――よっしゃ


このコーナー中ずっと、口数も少なく真剣に恋の悩みを考えている宮本。


 散歩トーク

「あのね、マーキーさん。僕、昨年の夏に免許とりましてね」

――ほー

「これまあでもねえ、ちょっと今、車壊れちゃいましてね」

――何でやのん?

「いやあのー、雨で。東京の方1回雨で、大雨で水没しちゃって、それ廃車にしちゃったのもあるんですけどね」

――水没!

「ええ。その後またすぐまた車買ってね、これ乗ってたんですけどね。何かオイル漏れしちゃってちょっと・・・」

――なんやなんや

「ま、それはそれで結構な事なんですけどね」

――どない結構やねん?(笑)

「(笑)いやあの・・・歩いてんですよ」

――今?

「ええ。そんで今もちょっと大阪のね、これあのジュンク堂っていう本屋、おっきな本屋さん行って、本買ってきたんですけどね」

――ほー。歩いて

「歩いて。でねえ、昨日池袋、東京の方でね、やっぱり本屋さんがいっぱいあってね・・・これやっぱ歩くのいいですわ」

――歩くのええわ。歩くの

「ちょうど季節もいいでしょ」

――季節がええ

「非常にその秋の部分のね。あのまあでもねえ。マーキーさんほんとね・・・人間いろいろありますね、これね。極端に言いますと」

――あるな。やっぱ歩いてるとやっぱ何かと見えてくるわな

「まあねえ、その、マク・・・ハンバーガーなんかね、非常に食生活のかたよりでね。またこの吹き出物なんかも出てきちゃってるとこがあって」

――そんなに食うな(笑)

「ええ、そんでね。まあ非常にそのコンビニの弁当とかね」

――コンビニの弁当。何であんな全部温まんねん、あれ

「そう。そうなんですよ!」

――コレとコレだけ温めてくれよ、っていう

「それあるんですよ」

――キュウリ揉みまで温まってるがな。どないやねん。たくわん温めてどうすんねん

「漬物の類も温まってる、みたいなね。までも非常にね、料理が非常に好きでね、マーキーさん」

――ほんま

「だけど今オール電化のね。食卓の、台所がこれオール電化の部分があってね。電気のやつ、やっぱ中華なべ使えないんですよ」

――あー

「だから非常に火の部分でまた燃え上がる、みたいなとこもあったりして。だからその、中華なべでまた料理作って、自炊でね、また炒め物作りたいなーってのがあるんですよ。希望としてね。食欲の秋ですしね」

――炒め物。ほー。自分で作ったものが食べたい

「ええ」

――これ自分で料理、作るもの自分で作るってのと、ちょっと歩いてどっかまで行って帰ってくるてのと似てんな

「そうなんですよ!」

――自分の力で何か全部やっちゃうというところが

「そう!」

――もうめちゃめちゃ充実すんねん、これ

「それでね、僕、アパートなんかもね、マーキーさん。不動産屋さんあるでしょ?あんま頼まないんですよ。要するに自分でね」

――なるほど

「例えば、車なんか便利だなーと思ったのは、夜中に車でこう行って、例えば外から見て『このマンションいいな』と思って、もうそこがいいんです。『ここ、どうですか?』ってもう聞いちゃうの。じゃないとね、もう、なかなかやっぱ何でも自分でやるって・・・これ限界があるんだけどなあ(笑)」

――そうそう、それで限界あんねんけども、一番おもろいところや、っていうところに気ぃ付いてきてるっていうか。例えばゴルフとか行ってもな、キャディーさんがついてな、『残り150ヤードです』とかってポンと言われる時あんねん

「ええ、ええ」

――ちょっと待ってくれよ、と。それ俺が考えさしてくれや、と。大体残りどれぐらいあんのかとか、そこが一番おもろいんちゃうんか、とかって思ったりするねんけども

「でもね、それキャディーさんに言われてね、ちょっとこうムスッとしてるマーキーさんの顔、浮かびますね。ちょっとね。仏頂面のね(笑)」

――(笑)そんなこと言うてるわけやないねんけども、自分で考えたほうがおもろいやんか、っていうところがあったりとか

「ええ。ありますよね」

――自分で全部やるっちゅうのがな、何かすごいやっぱりこう、気持ちのええもんがあるよなあ

「できるところまでのね。ええ」

――そうか、ほな、どんどんどんどんそうなってるんや。歩いて

「そうなんです」

――でもこれ約束してるとこやったら、これもう、なあ。2時に約束してて歩いたら2時間かかったら、これ約束間に合えへんもんな

「あーそうですね。ま、ほんとに歩くってのは、バスとか車だとすぐ行っちゃうようなところでも、歩くとまた1時間2時間かかっちゃったりしますからね」

――そうやん。富士山なんかもう、歩いたらえらいかかるけど、ヘリコプターやったらポーンやもんな

「そうですねえ(笑)ええ(笑)」

――なあ。あれどっちでも『山頂に乗った。わっはっはー』言うてるけど

「『わっはっは』」

――その気持ちの中の気持ちよさってのは

「ありますよね」

――これやっぱ、てこてこてこてこ登って歩いた時の気持ちっちゅうのは

「まあでも富士山ってのは、あの火山の部分でね、非常にその5合目以上になるとまた、火山の、岩石が集中してあるって部分のね、何かこの殺伐とした風景の、ま非常に地獄絵図っていうか、場所(笑)ある種ね」

――行った事あんの?

「富士山の5合目ってのは山梨県でね、東京から割と近いドライブコースですから」

――5合目はまああるけど、それ以上、上やで?

「上はね」

――上は

「あれ断念しました。5合目から上がろうと思って歩いたらね、あれもう急斜面でね」

――あ、そうなんや。意外と

「息切れの部分がこれ非常に出ます」

――でもやっぱ富士山ぐらいは登っとかなあかんやろ

「日本人ですからねー」

――日本人やから富士山のひとつも登って・・・

「あります?」

――ないんねや

「(笑)ないですよね(笑)」

――(笑)なんかこうなー、登りたいなーっていっつも思ってる。あかんな。言うてるばっかはあかん。もうこんなん2度と言わんとくわ

「(笑)」

――今度『登ってきた』っていう報告を出来るようにするわ。いつも言うてしまうねん。何々行きたーい、とかな

「あー」

――今日も友達と『何々したーい、あれしたーい、これしたーい、したい、したーいばっかり言うてるやつはアカンのー』言うて

「まあでも元気の源ですからね。その『何々したい』って部分がね。これまたひとつね。ええ」

――なるほどな。何かこう『やった』いう話を早よしたいなーというのをな、思うねんけども


ちなみに、宮本がジュンク堂で買った本は

「明治時代のね、外国人のね、あのー来たっていうね、本買いました」


エレファントカシマシ入門サイト good morning (http://elebox.moo21.com)