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FM802「パワーコード802」より

DJ=ちわきまゆみ/ゲスト=エレファントカシマシ 宮本浩次
(2000年9月16日放送)


 「エレカシ青春セレクション」を大いに語る

――エレファントカシマシはですね、9月20日に・・・2000年だからなんですか?宮本さんのセルフセレクトによる、エレカシの青春セレクション。「sweet memory〜エレカシ青春セレクション」というタイトルです

「まあ平ったく言うとベスト盤なんですけども。これ最初ね、あのー何しろ9月の時点で、『good morning』っていうアルバム、僕ら4月だか5月だかに出したばっかりなんですよ。それでね、何かこう、この時期にそうかベスト盤かあ、みたいな話でね、非常に最初悩んだんですね、これね。時期的に。どうなんだろうなあ、みたいなさ。でひとつファーストアルバムから僕ら何しろね、ちわきさん、僕11枚もアルバム出しててね。どうしようかなっての、これはひとつあったんですよ」

――だってさ、11枚アルバムがあるって事は、単純に1枚10曲入ってるとしたらだよ、110曲はもう世の中に出てるわけじゃないですか

「それで何しろね、例えばほら今いろいろ方法があって、ファーストアルバムから、この『ガストロンジャー』って曲に至るまでのね、非常にそういった男っぽい、強い曲を前面に押し出したリミックス盤、まあ車で言うとチューニングって言うかね。それで例えばそういった僕らのアルバムでもね、自分でやった曲なんかも、例えばそういったチューニング専門のね、非常に得意にしてる方がいますから、彼らに託してね。そういう何しろひとつ、何かそういったね、テーマが必要なんじゃないかって僕の中で非常に考えまして。そうすっとね、随分聴いたんですが、例えば古い、僕ら4枚目5枚目あたりの曲なんかをまた、リレコーディングって言うんですかね、もう1回今の感覚で取り直し、またその『good morning』スタイルのね、ある種の打ち込みなんかを、この打ち込み方式によるやり方でのリレコーディングなんかも考えたんですが」

――が

「ただね、『sweet memory』ってこの表題曲がね、このアルバムの中にも入ってるんですが、これがちょうど僕ら今年になってからのね、非常にそのロックスタイルでの方向性を、『ガストロンジャー』なんて曲もあるんですが、非常に強いね。『コール アンド リスポンス』とかね。そういった曲なんかの時期と同時期にできてる、この『sweet memory』って曲がね、ある種非常にメロディアスでね」

――うん。すごいよね。好対照ですよね

「そう。でもね、それはロックファンたちにはね、“宮本ちょっと甘っちょろいんじゃねーか”とか、またちょっと何か、“最初は何か甘っちょろくてびっくりしたけど、いい曲じゃん”みたいなね、その程度の反応しかなかった。で『ガストロンジャー』って曲に関しては、非常にロックな、非常に愛する人たちにとっては、またひとつの、すごくいい曲だったわけですね。ガーって。音がドーンっていくね。で、その『sweet memory』っていう僕の中ではすごい大切な曲で、別れがひとつのテーマになってて。決別し、また前に進んでいくぞ、みたいなね。僕なりに非常に大切な曲だった」

――これをタイトルにしたのはどうして?

「まあその、そういう事なんですよ。何しろ僕らには非常に強いものを求めてる人々が多いし、それは強いっていうかはっきりした意思表示――それは柔らかいバラードであろうが、強いロックであろうが――何しろ僕ら、宮本が今考えるスタイルっていうか意思表示をしてくれよ、というところで『sweet memory』はどっかね、欲求不満を感じさせるような曲だったんでしょう。で、僕は非常にその『good morning』ってアルバムではね、ひとつのロックの、強いロックのスタイルの10何曲をセレクトして『good morning』ってオリジナルアルバムを作ったんですが、この『sweet memory』って曲が、同時期に作られたメロディな曲としてね、気になってしょうがなかった。でその要するにそれを表舞台にね、もう車の両輪でね。まあそのひとつ僕ら『good morning』という非常に強いハードな部分と、またこういった『sweet memory』に代表されるある種メロディ主体の、そんな部分もあるんだよっていうところをね。に到達し・・・」

――じゃあもうリレコーディングとか、リミックスとかはいいや、と

「それで要するにその意味で『sweet memory』という曲を表題曲にし、また『悲しみの果て』って、ひとつまたオープンな活動を、僕らが再スタートした第1曲目だし」

――そうだよねえ

「要するに僕らの現在の立ち位置っていうかね。これ結果なんですが、この『sweet memory』ってアルバムを編集することによってね、ひとつ何かそのバラードっていうかね、メロディ、また歌詞っていうものを主体にした、この『sweet memory』っていう、まあそれを青春っていう象徴的な言葉で僕は表現してるんですが」

――ああなるほど。そっか、じゃあ青春っていうのは後から出てきたんだ。「sweet memory」っていうのがまず主軸にあって、「エレファントカシマシ青春セレクション」ってのは、割とその次の考え方なんだ

「そう。その要するにメロディ、歌詞って部分での代表としての。今現代のね。現在の僕らのスタイルとしての代表の『sweet memory』という曲があって、で同時に――そう言うと僕の中での解釈がつく――今の時期にアルバムっていうかベスト盤を出す。でそれは青春っていう部分のひとつ。稼働中のね、“お前ら日本の現状をどう思う?”って大上段の『ガストロンジャー』スタイルじゃなく、また何かプライベートな・・・」

――そういう意味では「アナザー・サイド・オブ・エレファントカシマシ」。まあどっちがあっても、もうもちろんそれがバンドの両面なんだと思うんだけど、そういう意味では、あのーある種、1枚の別なアルバムとして聴いてみるのもすごくいいですよね

「うん。ひとつ決別と、また、進むぞっていう部分のね。これはほんとはプライベートな・・・だってそうでしょ?家に帰ってね、あのーひとりになった時にね、何も気合入れて僕は牛乳飲んでないですからね」

――はっはっはっはっはっはっはっはっは

「それは何かくつろいでね、多分誰も見てないとこでは、誰でもそうなんだけども、ひとりプライベートの時、恋人がいようが友人がいようがね、ひとりってなった時には、これは向き合うし、何でこれ、“どうやって生きていくんだろう?”みたいなね、ところから始まってまあ恋の悩み、何しろそういった非常に微妙なね、内省する時間帯ってのはこれ持ってて」

――内省する時間帯!大体何時ぐらいですか?深夜

「いや、それでその『good morning』、まあこのラジオの時間帯もそうかもしれない、まあわかんない。その『good morning』、稼働中、昼寝・・・」

――稼働中、昼寝(笑)

「まあ男ね、男は・・・男も女もやっぱ仕事してたりとかって部分では、稼働中、まあ自分の律したりとか、また何かあのー戦ってく姿勢ってのはこれ持ってるわけですけど。まあそれ時間帯で言うと、まあ昼も夜もわかんないんですけどね。ところがひとりに、プライベートになった時ってのは、やっぱ非常に内省したりとかっていう時間、まそういったね。硬と軟っていう部分でね」

――コウとナンだ!いいねー。インド料理みたい

「そう。ひとつの『good morning』っていう部分ではね・・・」

――「そう」じゃないでしょ(笑)

「あのーごめんなさいね」

――いいよ(笑)

「あのー、『sweet memory』っていうアルバムに関してのね、自分の中で、“何で出すんだ?”ってことから僕は始まったから、非常に自分の中ですっきりしてる部分があって。何しろこの『sweet memory』ってアルバムを出すことでね、少なくとも僕個人的には、この『good morning』とこの『sweet memory』っていうね、硬と軟」

――で、2枚看板で行けるっていう感じがするよね

「その、現在の立ち位置っていうのがね、確認できたから、あのーすごくすっきりしたとこはあります」

――あ、バランスが取れたんだ。じゃあ。硬と軟で


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